ミライセリフバコ

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時砂の王

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)


小川一水さんの新作「時砂の王」読み終えました。行き帰りの電車の中と仕事の休憩中を利用して、2日間で完了。このサイトは感想サイトではないのであまりストーリーを書かないのですが今回はものすごく感じることがあったので、以下ネタバレ注意。


初の時間長編SFといううたい文句があったのでいろいろと考えながら読み始めた本でした。最初は「時間枝」が行ったり来たりするので頭の中が混乱してしまったのですが、読み続けるうちにだんだんと慣れていき最後の頃にはだいぶ自分自身でもまとめながらストーリーを追うことができました。

メインの登場人物はA.D.248年の日本を生きる卑弥呼こと「彌与」そしてこのストーリーの「時間枝」を行き来するメッセンジャー「オーヴィル」、メッセンジャー達に指示を出すキーパーソン(?)の「カッティ」。敵は増殖型戦闘機械であるET。オーヴィル達メッセンジャーはその名前の通り過去の様々な「時間枝」を訪れてはその時代の人々とETを倒そうとするが・・・
様々な「時間枝」の中でこのA.D.248年の日本が時間戦略的な拮抗点となるということで必死に戦う「オーヴィル」。その行方は・・・

て、何故か宣伝調になってしまいましたが。


やはり「サヤカ」と「彌与」という2人の女性と会った「オーヴィル」の姿、そして行動。人間ではないメッセンジャーがどうしていくのか、というところが一番の見どころだったなと思いました。「ヒューマンストーリー」風にのめり込んでしまう作品は短編集であった「老ヴォールの惑星」にもあったなと思い出しました。


読み終えたときに改めて表紙を見て「なるほど」とつぶやき、私の感想は終了です。
ありがとうございました。