ミライセリフバコ

~next tee box~


人生で一度だけ、枕を濡らすほど泣いたことがある。


それは生まれて初めてで、短い期間であったが半月の間に起きた出来事だ。それは高校生の時にホームステイでアメリカに行ったときに、英語がろくに話せないのに片言の英語だけで過ごしたホストファミリーとの思い出だ。今思うことはもう少し英語を勉強していればもっとたくさんの思い出が作れたのではないか、だ。


不安はあったがファミリーのおかげで、楽しい生活を過ごすことができた。しかし楽しい思い出の時間はあっという間に過ぎてしまった。家族から別れる前日の昼間に、自分の部屋で荷物を片付けていたとき、気持ちがふと抜けた瞬間、涙が出てきてしばらく止めることができなかった。声も出て恥ずかしかったくらいだ。これは痛い涙ではない。悔しい涙でもない。


悲しい涙だ。


おそらく二度と会うことはできないであろう。そんな瞬間が脳裏に映ったのだ。


恋も同じ事かもしれない「付き合って、愛して・・・別れて」の流れだ。だから今度相手ができればこの流れになるかもしれない。ただそこまでのプロセスは見えないが、自分が決めた相手だ。どんなことがあろうとも一緒にいる間は一緒に過ごしたい。どんな結論になろうとも、今度は悲しみだけ残すことはない。もっとよいものを残したい。そう思いながら生きよう・・・


悲しい涙を流そうとも、人生の思い出や経験を流すことは、ないんだから。